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cPanel(CloudLinux)のリソースの制限の詳しい説明

cPanelは世界で最も使われているサーバーコントロールパネルです。
日本では独自コントールパネルのホスティングサービスがほとんどですが、海外のホスティングサービスは殆どがcPanelです。
最近、日本でもcPanelを使ったCloudlinuxのホスティングサービスが増えてきました。
mixhostやカラフルボックス、JetboyなどはcPanelをコントロールパネルにしているホスティングサービスです。
cPanelにはリソースモニターという機能があり、サーバーリソースの使用状況を確認することができます。
日本のホスティングサービスでは、リソースモニターの項目の意味など説明が見当たらないので、この記事でご紹介します。
cPanelのリソースモニターの項目
cPanelのリソースモニターで表示されている項目の内容と説明になります。
スピード | CPU シングルコアに対する速度制限。コア数で測定すると、当社のホスティング パッケージは 100% (1x CPU コア) から始まります。 |
PMEM – 物理メモリの制限 | 物理メモリの制限 (共有メモリとディスク キャッシュも含む)。MB 単位で測定すると、当社のホスティング パッケージは 2048 MB から始まります。 |
IO | IO スループット – 読み取り操作と書き込み操作の両方を組み合わせます。1 秒あたりの MB で測定すると、当社のホスティング パッケージは 1 秒あたり 8MB の制限から始まります。 |
IOPS | 1 秒あたりの読み取り/書き込み操作の合計数を制限します。私たちのパッケージは、1 秒あたり 1024 操作の制限から始まります。 |
EP – エントリープロセス | エントリープロセスの制限。通常、同時に実行される Apache 動的スクリプトと SSH および cron ジョブへの同時接続の最大数を表します。私たちのパッケージは、30 のエントリ プロセスの制限から始まります。 |
NPROC – プロセス数 | LVE 内のプロセスの最大数。当社のホスティング アカウントは 100 プロセスから始まります。 |
通常の使用でリミット付近まで増えるのはメモリだけだと思います。メモリは空きがあるとディスクキャッシュとして使われ、メモリが必要になると解放される仕組みになっているためです。
cPanelのリソースモニターでfaultsになった時のサーバーの動き
リソースのリミットに引っかかるとfaultsとなり、記録されます。
faultsになると何が起きるのか日本語で説明されているサイトを見たことが無いのでまとめておきたいと思います。
CPUがfaultsになった場合
CPUが100%のリソースを使い果たした場合、サイトの応答が遅くなります。ユーザーにエラーは返されません。
メモリ、プロセス数がfaultsになった場合
サイトがメモリまたはプロセス数の制限によって制限されている場合、ユーザーは、サーバーがスクリプトを実行できないという 500 または 503 エラーを受け取ります。
エントリープロセス数がfaultsになった場合
サイトがエントリ プロセスによって制限されている場合、ユーザーは 508 Resource Limit Reached エラーを受け取ります。
日本のCloudlinux利用サーバーのリソースが異常に多いカラクリ
Cloudlinuxはユーザーごとにリソース制限を掛けることができるので、faultsになるのは自己責任で利用者が適切に管理する仕組みのはずです。
日本のCloudlinuxサーバーであるmixhostやカラフルボックスは月額利用料は抑えられていますが、サーバーリソースはとても多いです。
サーバー会社が頑張ってコストを抑えているように見せかけていますが、実は違います。
このカラクリは簡単で、ユーザーごとのリミットは緩いままで収容人数を増やしているからです。
例えば、スペックに書かれているvCPU 8をそのサーバーの収容ユーザー全員に割り当てられているわけではありません。
コストパフォーマンスが高いと言われているサーバーは、収容人数に対して適切なリミットになっていないので、リミット付近までリソースを使うユーザーが多くなると、そのサーバー丸ごとリソース不足になってしまうため、リソースを使いすぎる?ユーザーを嫌い、追い出すわけです。
リソース保証にすると、スペックは悪化し、1台当たりの収容人数も減ってしまいますので、ユーザーから見ると割高に見えてしまうことを嫌っているのです。
Cloudlinuxのリソースリミットを厳密に各ユーザーに割り当てるなら、リソース保証という仕組みになりますので、ユーザーは限界までリソースを使っても何ら問題ないハズです。

まとめ
通常サイトでは、たまにCPUリミットに引っかかることはあっても、それ以外の項目がリミットに引っかかることはまずありません。
CPUリミットは、Wordpressサイトの場合は自動アップデートなどでCPUを消費しますので、稼働サイトが多い場合はリミットに引っかかりやすいです。
しかし、それも一時的なので、問題はありません。
アクセスが急増して、定常的に500エラーになるようなケースでは、根本的なリソース不足になるのでサーバーリソースを増強するしか策はないと思います。

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