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さくらのライトプランでWordPressを使う裏技!コスパよりもデメリットの方が大きい理由を解説

さくらサーバーのライトプランは、月額128円~という激安なレンタルサーバーです。
激安ですが、欠点があります。
ライトプランは利用できる機能がとても少なく、Wordpressサイトの運用に必要な『Wordpressクイックインストール』や『MySQLデータベース』と言ったWordpressサイト運用に必要な機能がサポートされていません。
さくらサーバーのライトプランはWordpressが利用できないように見えるかもしれません。
ご安心ください。
実はさくらサーバーのライトプランでもWordpressサイトは運用できます。
この記事では、さくらのライトプランで無理やりWordpressをインストールしてWordpressサイトを運用する手順を詳細にお伝えします。
ではよろしくお願いいたします。
さくらサーバーのライトプランとは?
さくらサーバーのライトプランは、Wordpressを利用しない前提のプランになっています。

ライトプランはHTMLサイト向けのプランです。
ライトプランではWordpressサイト向けの機能は提供されません。
HTMLサイト向けのプラン
- CDNの高速化(コンテンツブースト)
- さくらポケット
- 無料SSL
- WAF
HTMLサイト向けのプラン
- WordPress高速化
- WordPressクイックインストール
- MySQLデータベース
さくらのライトプランでWordpressを動かすには?
SQLiteとは?
SQLiteとは、オープンソースで軽量のRDBMS(データベース管理システム)です。
データベースには、OracleをはじめMicrosoft SQL Serverなどの商用データベースが存在し、SQLiteと同じくオープンソースのMySQLやPostgreSQLも有名です。
SQLiteは名前のとおり、簡易的な(ライトな)データベースであり、サーバーとしてではなくアプリケーションに組み込むことで利用します。
- 軽量、コンパクト、省メモリ
- ライブラリとして使用できる
- 設定不要
さくらのライトプランでWordpressを動かす手順
- 必要なファイルのダウンロード
- WordPressの圧縮ファイルをダウンロード
- db.phpをダウンロード
- セットアップ
- WordPressの圧縮ファイルを展開
- wp-config-sample.phpをwp-config.phpにコピー
- wp-config.phpを編集
- db.phpをwp-contentにコピー
- FTPでWordpress一式をサーバーにアップロード
- WordPressインストール
- サイトにアクセス(install.php)
必要なファイルのダウンロード
WordPressの圧縮ファイルをダウンロード
WordPressの最新版の圧縮ファイルをダウンロードします。
db.phpをダウンロード
WordPressをSQLiteで動かすためのdb.phpをダウンロードします。
必要なのは、db.phpだけです。
sqlite-integrationは不要
さくらのライトプランでWordpressを動かす記事を検索すると、定番でsqlite-integrationというプラグインが紹介されています。
sqlite-integrationは現在は配信停止となっています
この記事で紹介したdb.phpを使えば、sqlite-integrationは不要です。
sqlite-integrationは下記リンクからまだダウンロードは可能です。
本家直リンク:https://downloads.wordpress.org/plugin/sqlite-integration.1.8.1.zip
GitHub(Code > DownloadZIPを選択):https://github.com/jumpstarter-io/wp-sqlite-integration
セットアップ
WordPressの圧縮ファイルを展開
wordpressの圧縮ファイルをPCで展開します。
wordpress
ディレクトリ付きで展開されると思います。
wp-config-sample.phpをwp-config.phpにコピー
展開してできたwordpress
ディレクトリの直下に、wp-config-sample.php
があるので、wp-config.php
という名前でコピーします。
wp-config.phpを編集
wp-config.php
をエディタで開くと以下のような記述があります。
defineの部分をこちらからコピペします。
<?php
/**#@+
* Authentication unique keys and salts.
*
* Change these to different unique phrases! You can generate these using
* the {@link https://api.wordpress.org/secret-key/1.1/salt/ WordPress.org secret-key service}.
*
* You can change these at any point in time to invalidate all existing cookies.
* This will force all users to have to log in again.
*
* @since 2.6.0
*/
define( 'AUTH_KEY', 'put your unique phrase here' );
define( 'SECURE_AUTH_KEY', 'put your unique phrase here' );
define( 'LOGGED_IN_KEY', 'put your unique phrase here' );
define( 'NONCE_KEY', 'put your unique phrase here' );
define( 'AUTH_SALT', 'put your unique phrase here' );
define( 'SECURE_AUTH_SALT', 'put your unique phrase here' );
define( 'LOGGED_IN_SALT', 'put your unique phrase here' );
define( 'NONCE_SALT', 'put your unique phrase here' );
/**#@-*/
db.phpをwp-contentにコピー
db.phpをwp-contentディレクトリの直下にコピーします。
FTPでWordpress一式をサーバーにアップロード
FilezillaやFFFTPなどお好きなFTPクライアントを使って、Wordpressファイル一式をサーバーにアップロードします。
wordpress
ディレクトリの中身だけアップロードします。
WordPressインストール
サイトにアクセス(install.php)
ファイル一式のアップロードが終わったら、ダッシュボードにアクセスします。
http://hogehoge.com/wp-admin
にブラウザに入力
インストール画面になります。
ユーザー名やパスワード、メールアドレス等を入力すると、インストールが始まります。
インストールが終わったら、SQLiteを使ったWordpressのセットアップは完了です。
さくらのライトプラン発生したトラブルと対処方法
500エラーでWordpressインストールができない
WordPressにはバージョンごとに、PHPの要求バージョンがある。
最新版のWordpressでは、PHP5.6以上が要件。
今回500エラーが起きたのは、最新版のWordpressをインストールしているのに、PHPのバージョンが5.2だったのが原因。
PHP5.6以上に変更すると500エラーはなくなり、インストール画面が表示された。
ダッシュボードのヘルスチェックでエラー
REST APIが正常に動いていないという内容だった。
検索すると、パーマリンクが正常に動いていないとREST APIのトラブルが発生することがあるらしい。
設定⇒パーマリンク⇒更新
というお決まりの手順でパーマリンク設定を更新したら、ヘルスチェックでエラーが無くなった
さくらのライトプランでWordpressを使うメリット
- 料金が圧倒的に安い
- SQLite環境であれば、Wordpressサイトの移転が簡単
料金が圧倒的に安い
200円以下でさくらサーバーが使え、更に、Wordpressサイトもマルチドメインで複数運用できるのは破格。
軽いサイトであれば10個ぐらいは普通に運用できる。
SQLite環境であれば、Wordpressサイトの移転が簡単
SQLiteのデータベースは、別サーバーではなく、PHPで動いている。
MySQLの時のようにサイトの移転でファイル一式とDBの2つを移転し、DBをインポートする作業が必要ない。
SQLiteのWorpdressは、wordpressディレクトリをそのまま移動すればよい。
さくらのライトプランでWordpressを使うデメリット
- サイトのスピードが遅い
- MySQL専用のプラグインが動作しない
- MySQL⇒SQlite、SQLite⇒MySQL等のサイトの移転が大変
サイトのスピードが遅い
サーバー自体のスペックの問題もあるが、SQLiteが同一サーバーで動いているのでサイトの表示速度は遅くなる。
SQLiteにしてもSSDだから遅くならないという人もいるので、Wordpressサイトが遅いのが、SQLiteの問題なのかさくらのライトプランの問題なのかはよくわからない。
MySQL専用のプラグインが動作しない
WordPressはSQLiteに正式に対応していない。
つまり、MySQLの利用を前提としたプラグインが動作しない点は注意が必要になる。
例えば、All in One WP Migrationなどでサイトの移転を行おうとしてもSQLiteに対応していないので移転できない。
極論では、DBを扱うプラグイン全般が動作しない。
MySQL⇒SQlite、SQLite⇒MySQL等のサイトの移転が大変
SQLiteはMySQLと互換性が無い。
MySQLを使ったWordpressサイトをSQLiteに変更する場合や、その逆も結構大変な変更作業になる。
まとめ
さくらのライトプランはSQLiteと組み合わせることで、Wordpressサイトが運用できる最安レンタルサーバーの1つと言えます。
ただし、SQLiteはWordpressが正式にサポートしていません。
MySQLの代わりにSQLiteを使用する場合、少なからずデメリットやトラブルが起こる可能性がありますので、そこを克服できるスキルがある場合には有用な選択肢となります。
複数サイトを運用する場合は、ライトプランとスタンダードプランでランニングコストの違いはほとんど無視できると思いますので、運用が難しくなるSQLiteでのWordpress運用にチャレンジするメリットがどれだけあるのか疑問です。


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